『養生訓・総論 下』(11):呼吸法(後半)

2017年3月20日月曜日

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 呼吸法(前半)では、呼吸の意味と時々「深呼吸」をすべきだと述べていました。引き続き、貝原益軒が「呼吸法」について語っています。
 
ミズキ科サンシュユ Cornus officinalisの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園・20170225撮影)
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「深呼吸」を行う時は、上を向いてねて、足を伸ばして、両足の間を15cm程度に開き、両肘と体との間も15cm程度あける。そして、目を閉じて、手をしっかり握って行う。一昼夜の間に、1−2回行うべきである。

長い間やっていれば、効果が出てくるだろう。気持ちをリラックスして行うと良い。


『千金方(せんきんぽう)』にも、「常に、鼻からきれいな空気を吸い入れ、口から汚れた息を吐き出す。入れるものを多くして、出すものを少なくする。したがって、息を吐き出す時は、口を細く開いて、少しずつ吐くようにすべき。」と書かれている。


呼吸を規則的にして、安静にしていると、空気の動きが徐々に緩徐になる。これを長い間続けていると、まるで鼻で息をしていないようになり、ただ臍の上の動きからわずかに息が行き来していることがわかる。このようにしていれば、体の「気」が安定してくる。これが「気」を養う方法である。

呼吸は身体の「気」が出入りする通路である。荒々しくしてはいけない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第二 総論 下から)

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『千金方(せんきんぽう)』とは、中国唐代の有名な医学書です。忙しい現代人にとって、このような呼吸法はきっと役に立つことでしょう。(T.K.

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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