タイトル:『養生訓・総論 下』(12):心の持ち方

2017年6月20日火曜日

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シソ科ヤグルマカッコウ Monarda fistulosa
 東洋医学の原典の一つに『素問(そもん)』という書籍があります。戦国時代から漢代に作成された、健康や病気に対する様々な記載をつづり合わせたものです。当時の健康や病気に対する様々な考え方を知ることができます。
 貝原益軒もこれを読み、養生のために活用していたようですね。

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『素問(そもん)』では、「怒り過ぎると、気が昇る。喜び過ぎると、気が緩む。悲しみ過ぎると、気が消える。恐れ過ぎると、気が巡らない。驚き過ぎると、気が乱れる。労働をし過ぎると、気が減る。考え過ぎると、気が結ばれる。寒すぎると、気が閉じる。暑過ぎると、気が漏れる。」と言っている。

全ての病気は皆、「気の異常」から生じる。病気とは、「気」が病むことである。

したがって、養生の方法は、「気」を調えることにある。「気」を調えるとは、心の状態をいつも平和な、安定した状態にしていることである。

「気」を養う目標は、「気」を減らさないことと、「気」を塞がないことにある。心の状態をいつも平和な、安定した状態にしていれば、この二つの目標に到達できる。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第二 総論 下から)

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現代は忙しい世の中なので、貝原益軒の言う心境に至ることは難しいかも知れませんが、養生のためには重要なポイントのようです。(T.K.

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。


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