『養生訓・総論 下』(14):自分の体にあった治療を!

2017年8月17日木曜日

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 貝原益軒が、自分の体にあった治療を受けることの重要性を説いています。
シソ科コガネバナScutellaria baicalensisの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて)
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 何事も、普通以上に良くしようとして急ぐと、必ず悪くなる。これは病気を治療する際にも当てはまる。

 病気になって、きちんと医者を選ばず、とにかく治療を求めて薬を内服したり、また、鍼灸治療をむやみに受けたりすると、かえって害になることも多い。「導引(=体操療法の一種)」や「あんま」もまた同じである。
 
 自分の体にあっているかどうかを知らないで、みだりに治療を行ってはならない。

 「湯治(=温泉療法)」もまた同じである。病気に効果があるかどうかを考えないで、みだりに湯治を行って病気が重くなれば死に至る。

 一般に、薬・鍼・灸・導引・あんま・湯治の六種類の治療法は、自分の病気と治療法との適合性をよく考えて行わなければならない。その適合性を知らないで、みだりに行えば、かえって災いとなることが多い。

 これは、病気を良くしようとして、かえって悪くしてしまう例である。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第二 総論 下から)

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 ときに、サプリメントなどを多数内服されている方にお目にかかりますが、やみくもに多数内服しかえって相互作用などが心配になりますので、よく検討して頂いて最小量を内服することをお薦めしています。(T.K.

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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