『養生訓・飲食 上』(5):「五味のバランス」

2018年2月16日金曜日

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古くから、「五味(ごみ)」という考え方があり、「甘さ・辛さ・塩からさ・苦さ・酸っぱさ」の5種類の味覚を指します。貝原益軒はどのように解説しているでしょうか?
上品な「日光梅」の花(千葉大学柏の葉キャンパスにて2018/2/15)
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 「五味偏勝(ごみへんしょう)」とは、「五味(ごみ)」のうち一種類の味を多く摂り過ぎることをいう。


 甘いものを食べ過ぎれば、お腹が張って、痛くなる。

 辛いものを食べ過ぎれば、顔がほてって「元気」が減り、皮膚にでき物ができて、目が悪くなる。

 塩からいものを食べ過ぎれば、「血液」が乾いて、のどが渇く。その結果、水分をたくさん飲むことになり、胃腸をいためる。

 苦いものを食べ過ぎれば、胃腸の活動を損なう。

 酸っぱいものを食べ過ぎれば、「元気」がちぢこまってしまう。


 だから、「五味(ごみ)」がバランス良く備わっている食事を少しずつ食べれば、病は生じない。肉類でも、野菜類でも、同じ物を続けて食べ続けると、胃腸に滞ってしまい、害がある。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)

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 次回も、食事の内容についてのお話が続きます。(T.K.)

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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