『養生訓・飲食 下』(27):お茶の飲み方(その1)

2021年4月22日木曜日

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新型コロナのお話のところで、『養生訓』についてのブログが止まっていましたが、再開したいと思います。今日は、お茶のお話になります。

シソ科イヌハッカ属ケイガイの花穂(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)

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お茶は、日本では大昔には無かったが、奈良・平安時代頃に唐の国から渡ってきた。その後、味わい楽しむ人々が増えて来て、今では日用欠かすことができないものになっている。

お茶は、人の熱気を冷まし、頭に上った「気」を落ち着かせ、眠気を覚ますという性質がある

ある学者は、「長く飲めば、脂肪を減らして、痩せることができる」と言っている。しかし、別の学者は、「人によっては、その性質は良くないこともある」と言っている。

今の世間では、朝から夕まで、お茶をたくさん飲む人が多い。飲み慣れてしまえば、体を損なうことはないのだろうか? 私はやはり、お茶には冷ます性質があるので、一度にたくさん飲むべきではないと思う。

抹茶(まっちゃ)は、飲用する時には、炒ったり煮たりしないので、その性質が強くなる。

煎茶(せんちゃ)は、飲用する時には、炒って煮るため、その性質はやわらかくなる。

故に、普段は煎茶を飲用すべきである。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から) 

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貝原益軒が言っている「煎茶」というのは、「炒って煮たお茶」だと述べていますので、現在の「ほうじ茶」に近いものだったと思われます。お茶は、適量を楽しみましょう!(T.K.) 

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。 

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