『養生訓・飲食 上』(11):調味料や薬味の意義

2018年5月24日木曜日

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貝原益軒が、調味料や薬味の意義について述べています。
セリ科ウイキョウ(フェンネル)Foeniculum vulgareの花 (千葉大学柏の葉キャンパス薬草園2018.5.17)
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古(いにしえ)の聖人は、適切な「醤(しょう)」がなければ食事を摂らなかったという。これも養生の方法である。

「醤(しょう)」とは、「単に味を良くするための」調味料や薬味のことではなく、「健康を守るために食事に加えるべき」調味料や薬味を指す。

現在あるものでたとえると、塩、酒、醤油、酢、蓼(たで)、生姜(しょうが)、わさび、胡椒(こしょう)、芥子(からし)、山椒(さんしょう)などであるが、健康を守るためにそれぞれの食べ物に応じた調味料や薬味がある。

これらを食事に加えるのは、食品の毒を制するためである。単に、食事の味を良くすることだけを目的にするものではない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)

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 調味料や薬味は、我々はふだんは「お好み」で食事に加えていて、つい入れ過ぎてしまうこともありますね。

 食品に応じて、季節に応じて、体調に応じて、健康を守るために調味料や薬味の種類や量を工夫すべきだと述べているようです。(T.K.)

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。


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