おとといテレビ東京で放送された【主治医が見つかる診療所】で、船戸クリニック院長の船戸崇史先生が、ご自分ががんにかかった経験から「がん(癌)を予防する5ヶ条」について解説されていました。
マメ科ハブソウCassia torosaの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて) |
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船戸先生は今から10年程前の48歳の時に、人間ドックで左側腎臓がんを見つかり、腎臓を摘出する手術を受けたそうです。初期の腎臓がんは自覚症状がほとんど無いので、早期発見が難しいがんの一つです。
船戸先生は、がんを克服した後、がんを再発させないために自らの生活の改善をし、この方法で患者さんにも指導をしているそうです。
船戸先生による「がんを予防する5ヶ条」とは・・・
1,毎日必ず納豆とメカブを摂る。ニンジンジュース(ニンジン3本、リンゴ1個、レモン半分)を飲む。
(「大豆に含まれるイソフラボンと、メカブのフコイダンにがんの予防効果を期待し、ニンジンの中のβカロテンに抗酸化作用を期待している」との解説でした。がんにかかる前は、不規則な食生活だったそうです。)
2,夏でも靴下を着用。
(「がんを予防するためには、体を温める事が重要で、冷えは足から入ってくるので、夏でもくるぶしから5-10cm上までの厚手の靴下を履くことをお薦めします」とのことでした。がんにかかる前は、服装には無頓着だったそうです。)
3,往診の時にチョコっと歩く
(「適度な運動で筋肉をつけることで、体温が上がり免疫力を上げることを期待している」との解説でした。がんにかかる前は、ほとんど歩かなかったそうです。)
4,家族と毎日笑う
(「大声で笑うことで免疫力が上がることを期待。呼吸法だと思って、大笑いするほど効果が高まる」との解説でした。がんにかかる前は、家族との会話は少なかったそうです。)
5,最低6時間の睡眠
(「誰でも1日5000-6000個のがん細胞が体内で生まれてしまうが、がん細胞を消してくれる免疫細胞が働くのは主に睡眠中なので、最低6時間の睡眠が必要になる」との解説でした。がんにかかる前は、不規則で短い睡眠だったそうです。)
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上記の「がんを予防する5ヶ条」は、船戸先生という医師が個人的に考えたものであり、まだ科学的な裏付けは行われていないと思われますので、あくまで参考としてご紹介します。
漢方的に、がんは「寒毒(つめたい毒)」と考えられますので、当診療所に受診されるがんをお持ちの患者様には、まず体を冷やさないことをご説明します。実際に、体を温める作用を持つ生薬を処方することが多くなります。
また、当診療所では、体力・食欲をつけていく生薬、お気持ちを緩和する作用を持つ生薬も処方の中に入りますので、当診療所のがん患者様に対する漢方治療の治療方針は、舩戸先生の考え方と共通している部分も多いですね。
ただし、船戸先生は「体を冷やさないように」とおっしゃっていましたが、生のニンジンジュースは漢方的には体を冷やしてしまいます。船戸先生の「がんを予防する5ヶ条」は、まだ改良の余地がありそうですね。(T.K.)