また暑さが復活してきましたが、朝夕は涼しいですね。
先日、ヒオウギのエキスが毛髪によいという話を聞いて、薬草園に出向いてみました。
かろうじて花が咲いていましたが、ほぼ種子の状態です。
アヤメ科ヒオウギの黒々としたツヤのある種子。昔は烏羽玉(うばたま)と呼ばれ、黒や夜の枕言葉となっています。
漢方では根茎を射干(やかん)といい、生薬として用いられてきました。
清熱解毒、利咽、去痰の作用があり、咽喉痛、咳、痰、扁桃炎などに用います。漢方薬では射干麻黄湯という薬が有名です。
射干、麻黄、生姜、五味子、細辛、紫苑、款冬花(キク科フキタンポポ)、大棗、半夏(金匱要略)
今のように喘息治療が進んでいなかった頃は、哮喘すなわち喘息に用いられたのではないでしょうか。
ちなみに、毛髪に対する作用ですが、2013年にSchmidtさんがパテントを出願したリストの中に植物名の記載が見られました(Composition and uses for influencing hair growth)。
その他、がんや糖尿病に対する作用を研究している文献もありました。
新たな効果が発見され、活用されることが期待されます。(S)