今週火曜日(2017/12/19)、TBSテレビの「この差って何ですか? 胃腸の異常を見逃すな!」で、舌が「白っぽい時」と「白っぽくない時」の差をテーマにしていました。北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛先生がご解説されていました。
*****なぜか西洋医学では「舌から全身の状態を推察する診断学」はあまり進みませんでしたが、東洋医学では「舌から全身の状態を推察する診断学」が伝統的にすごく発達して来ました。
東洋医学で舌を診察するときには、舌の表面を白く薄くおおっている「苔(こけ)」と、舌の「本体」の大きく2つに分けて考えます。専門的には、「苔」のことを「舌苔(ぜったい)」と呼び、「本体」のことを「舌質(ぜっしつ)」と呼びます。
「舌苔」は、ごくうっすらと「舌質」が透けてみえるくらいの程度で舌の表面を白く薄くおおっている状態が正常です。したがって、「舌苔」は厚くなり過ぎても異常ですが、無くなってしまっても異常です。
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今回の番組で、舌が「白っぽい時」というのは、この「舌苔」が厚くなり過ぎた時のことを指していると思われます。
番組内では、「舌が白っぽい時は、胃や腸に問題がある。」と解説されていましたが、白く厚い「舌苔」を見た時には、東洋医学では一般に「湿邪(しつじゃ)」「痰(たん)」「食積(しょくしゃく)」という、「病気を起こす悪いもの」が体内の存在している状態と考えます。
これらの「病気を起こす悪いもの」は、「胃腸」に存在することが多いので、今回のようなご解説になったのでしょう。
感冒のような急性疾患で、「寒邪(かんじゃ)」が体の中の方に入り込んできても「舌苔」は白く目立つようになりますね。(T.K.)