千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて(2018.6.7) |
虚弱な人は、魚や鶏肉の味を良くして、常に少しずつ食べるのが良い。これは、(漢方医学で体力を補うと言われている)薬用人参や黄耆が、体力を補う効力に勝っている。
魚は、新鮮なものを、煮たり焼いたりして、少しずつ食べると良い。塩をつけて一両日程度過ぎたものが最も良いが、日数が経つと味が悪くなり、胃に滞りやすくなる。
新鮮な魚の身に味噌をつけたものを、煮たり焼いたりして食べても良い。夏の時期は日持ちがしないので注意。
(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)
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当診療所でも、「疲れやすい」「足腰が弱ってきた」「体重が増えない」というお悩みで受診される方も多くいらっしゃいます。
漢方薬では、薬用人参(にんじん)・黄耆(おうぎ)・地黄(じおう)・当帰(とうき)などという、漢方医学で体力や栄養分を補うと言われている生薬が入った処方をさせて頂きます。
しかし、実際にお身体をつくるのは良質なタンパク質ですので、適切な漢方薬を服用して頂きつつ、お肉・お魚・卵などを意識して無理の無い範囲で少しずつ摂取して頂くことをお薦めしております。 (T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。