潰瘍性大腸炎と「青黛(せいたい)以外の漢方薬」その2

2018年7月16日月曜日

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当診療所における潰瘍性大腸炎に対する漢方治療は、昌平クリニック(昨年の1月末に閉院)の鍋谷欣市先生がなさっていた方法を基本としていますが、前回のブログに引き続き、潰瘍性大腸炎に対する青黛(せいたい)以外の漢方薬についてご紹介致します。

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今回は、黄土(おうど)と呼ばれる鉱物質の生薬についてご説明したいと思います。
煎じて頂く黄土(おうど)
黄土(おうど)と聞くと、まず中国の黄河流域の黄土地帯を想像されるかも知れません。そのご想像通りで、漢方で使われる本来の黄土とは、黄土地帯の土壌を用いて作られた竈(かまど)が長年使用され、ボロボロもろくなってきた竈(かまど)の内部の焼き土を指します。従って、黄土は正確には竈中黄土(そうちゅうおうど)と呼ばれます。

しかし、竈(かまど)の材料として黄土地帯の土壌だけを使うわけにはいきませんので、黄土に由来しない土壌から作られた竈(かまど)から得られる焼き土も同じ目的に使われるようになりました。江戸時代の日本では、長く使用された七輪(しちりん)の破片なども利用されていました。

後世になって、黄土は伏竜肝(ぶくりゅうかん)とも呼ばれるようになります。すごいパワーがあるにも関わらず世間では知られていない竜の「きも」という意味のようです。

黄土の成分を分析すると、ケイ酸、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが含まれており、ミネラル成分に富んでいることがわかります。

漢方では黄土は、血便、吐血、血尿、不正性器出血などに対する止血薬として使用されてきました。後漢の時代に書かれた医学書には、黄土湯(おうどとう)という、黄土を主成分とする煎じ薬が載っていて、肛門から遠い深部の腸からの出血に用いられると説明されています。

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当診療所では、煎じて頂く黄土は上のような顆粒状の状態でご提供しますが、直接内服して頂く黄土は、飲みやすいよう細かい粉末にしてご提供しております。
直接内服して頂く粉末状の黄土(おうど)0.5g入り
成人の方の場合、煎じて頂く黄土は1日4−6gを基準としており、 直接内服して頂く黄土は1日1−2gを基準としております。(T.K.)

 関連ブログ:

 潰瘍性大腸炎と漢方薬:中華民国生薬学会 (1)

 潰瘍性大腸炎と漢方薬:中華民国生薬学会 (2)

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