潰瘍性大腸炎と「青黛(せいたい)以外の漢方薬」その1

2018年7月15日日曜日

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当診療所における潰瘍性大腸炎に対する漢方治療は、昌平クリニック(昨年の1月末に閉院)の鍋谷欣市先生がなさっていた方法を基本としています。すなわち、寛解期や軽症時には、赤石脂(しゃくせきし)や黄土(おうど)といった鉱物質の生薬を含む漢方処方を基本とし、下痢や血便の症状が強い中等症以上の活動期に青黛(せいたい)という生薬の内服治療を併用するという方法です。

潰瘍性大腸炎と青黛については以前のブログでご説明致しました。
 「潰瘍性大腸炎と青黛 —当診療所における使用方法—
 「潰瘍性大腸炎と青黛 —副作用への対応—

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そこで今回は、「潰瘍性大腸炎と青黛以外の漢方薬・その1」というテーマで、赤石脂(しゃくせきし)という鉱物質の生薬についてご説明したいと思います。
煎じて頂く赤石脂(しゃくせきし)
赤石脂(しゃくせきし)は、はるか昔の二千年前の大陸の医学書に記載されており、歴史的に長く使用されてきました。光沢性の雲母が分解してできたカオリナイト(含水ケイ酸アルミニウム)という白色の物質が主成分で、ここに赤褐色の酸化第二鉄が含まれています。

このため、油脂の様な緻密な滑らかさを持ち、赤みを帯びているため、赤石脂という名前がつけられたと言われています。

現代医学でもケイ酸アルミニウムは、アドソルビンという止瀉薬として使われていますが、漢方では赤石脂は収斂・吸着作用が強いとされ、やはり止瀉作用を持っています。潰瘍性大腸炎で血便が続くと鉄欠乏性貧血になりがちですが、赤石脂には酸化第二鉄が含まれていることから鉄欠乏性貧血の改善にも役立つようです。

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当診療所では、煎じて頂く赤石脂は上の写真のような顆粒状の状態でご提供しますが、直接内服して頂く赤石脂は、飲みやすいよう下の写真のように細かい粉末状にしてご提供しております
直接内服して頂く粉末状の赤石脂(しゃくせきし)1g入り
成人の方の場合、煎じて頂く赤石脂は1日4gを基準としており、 直接内服して頂く赤石脂は1日1−2gを基準量としております。

次回のブログでは、潰瘍性大腸炎と「青黛(せいたい)以外の漢方薬」その2として、「黄土(おうど)」についてご紹介致します。(T.K.)

 関連ブログ:

 潰瘍性大腸炎と漢方薬:中華民国生薬学会 (1)

 潰瘍性大腸炎と漢方薬:中華民国生薬学会 (2)

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