トリカブトの根から神経障害性疼痛抑える成分発見 治療薬に期待
4/12(金) 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190412/k00/00m/040/053000c
名古屋市立大学のプレスリリース
https://www.nagoya-cu.ac.jp/about/press/press/release/files/20190409/20190410.pdf
生薬の話題が載っているなと思ったら、名古屋市立大の牧野利明教授(生薬学)のグループの研究成果についてでした!
学会でお会いすることが多い牧野先生のご活躍、大変嬉しいです。
臨床ではトリカブトの根を原料にした生薬を、温熱効果や鎮痛効果を期待し、他の生薬と配合して用いています。
使い方によっては毒にも薬にもなる成分、アコニチン系アルカロイド(アコニチンなど)が含まれていることがよく知られていますが、多成分が協同して作用を発揮するのが生薬や漢方の特徴です。
先生の用いた実験系において、加熱処理したトリカブトの根(加工ブシ)中のネオリンという化合物が神経障害性疼痛を改善する作用を有していたとのこと。アコニチンなどの成分と違い、熱によっても安定であることがわかりました。
従来より加工ブシの鎮痛活性成分として知られているベンゾイルメサコニンはこの実験系では効果を示していないそうですが、おそらく多成分が神経障害性疼痛に対して様々なメカニズム、アプローチで効果をもたらしているのだと思います。
専門知識を持つ先生が患者さんの体質に合うと判断した上で安全に利用してこそ効果をもたらすものですから、決して素人判断で飛びつかないようにしてくださいね。(S)