潰瘍性大腸炎と漢方薬:中華民国生薬学会 (2)

2019年4月30日火曜日

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昨日のブログに引き続き、「中華民国生薬学会」で私がお話ししてきた内容をご紹介致します。
私は日本語でプレゼンし、翻訳者が中国語に翻訳して下さいました。
1,潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とは?

疾患の説明に加えて、現在アメリカでは国民の300人に一人、日本では600人に一人、台湾では6,000人に一人が、この疾患を持っていると言われていて、今後も増える可能性があることを説明しました。


2,日本における潰瘍性大腸炎に対する標準治療

解明されている発症メカニズムの説明に加えて、現代医学の進歩により新しい治療薬が次々に開発され、科学的に効果が実証され、日本における標準治療になっていることをお話ししました。


3,鍋谷欣市先生の工夫

潰瘍性大腸炎の症状を緩和する目的で、鍋谷欣市先生が創った「桃黄湯(とうおうとう)」という漢方処方について紹介しました。

桃黄湯は、以前のブログでもご紹介した、赤石脂(しゃくせきし)黄土(おうど)という生薬を含む漢方処方です。


4,青黛(せいたい)について

最後に、日本における青黛の利用についてお話しし、肺高血圧症・大腸粘膜浮腫などの副作用の発生が問題になっていることをプレゼンしました。

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※ 講演修了後に、参加された台湾の医師・薬剤師の先生方に青黛について伺ったところ、台湾でも青黛は日常的に処方されているとのことですが、日本のような副作用の発生例は聞いたことがないとのお話でした。

日本における青黛の副作用発生の理由について議論したところ、

第1には、台湾では青黛は必ず「奇応備急喉口散」のような複数の生薬を含む処方の一成分として処方しているが、日本の現状は単独で青黛を内服していること、

第2には、青黛の1回の内服量が、台湾に比べて多すぎること、

が原因なのではないかとの見解で一致しました。(T.K.)

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