『養生訓・飲食 下』(21):お酒の適量を知る(その2)

2019年12月12日木曜日

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前回に引き続き、貝原益軒が、「お酒の適量」をテーマに語っています。

秋のイチョウ並木(千葉大学柏の葉キャンパス)
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生まれつきお酒があまり飲めない人は、盃で一、二杯飲めば、酔って気持ちよくなって楽しくなる。

その楽しさは、お酒を多く飲む人と同じである。

お酒を飲み過ぎることは有害だ。


白楽天(はくらくてん)が、下記の様に詩に読んでいるのは、もっともなことである。

一飲一石者
徒以多為貴
及其酩酊時
與我亦無異
笑謝多飲者
酒銭徒自費

訳:

お酒を一度に一石も飲む人は、理由もなく、お酒をたくさん飲めることが偉いことだと思っている。
しかし、酔っぱらった状態は、(お酒をあまり飲まない)私と同様である!
そこで、私は、お酒を多く飲む人に笑って申し上げたい。
「(お酒をたくさん飲んでも、)酒代が高くつくだけですよ!」

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

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白楽天(はくらくてん)とは、唐の時代の詩人です。一石を現在の度量衡に換算すると約80kgとなりますので、「お酒をたくさん浴びるように飲む」状態の譬喩でしょう。(T.K.)

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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