サルトリイバラ(和山帰来)

2020年6月19日金曜日

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日本のいたるところで見かけるサルトリイバラ(ユリ科)、ご存じでしょうか。
地域によっては葉でお餅を包んだりすると聞いたことがあります(柏餅は、柏の葉ではなく、サルトリイバラの葉が本来の形とのこと!)。

茎には棘があり、サルが絡まって捕まりそうなので、その名が付きました。
また、和山帰来という別名は、中国等に分布するケナシサルトリイバラ(山帰来)と似ているからです。

実際、サルトリイバラ(根茎)は山帰来の代用として、かつて梅毒の治療に盛んに用いられました。今では清熱解毒薬として、皮膚疾患や化膿性疾患に用いられています。

こちらで生薬として採用しているのは山帰来の方ですが、上記と同様の用い方をしています。応用として、江部洋一郎先生が考案した養腎降濁湯(ようじんこうだくとう)にも配合され、腎機能の改善作用が検証されています。

ちなみに山帰来とは、高齢や梅毒などの病気で山に捨てられた老人や病人が、山帰来の根をかじって元気を取り戻し、山から帰ってきたという話に由来します。
身近な植物であり、人々の健康に役立ってきた植物と言えるかもしれませんね。(S)

サルトリイバラ=和山帰来、ばっかつ
ケナシサルトリイバラ=山帰来、土茯苓

サルトリイバラの実(赤くなります)


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