漢方薬の「補剤(ほざい)」とは?

2021年3月2日火曜日

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前のブログに引き続き、2021年2月27日にNKH総合で放映された、東洋医学ホントのチカラ「新型コロナに負けない心と体」の内容をご紹介します。

番組内では、漢方薬というのは、働きによって、大きく3つのグループに分けることができるという解説がありました。すなわち、下記の3つです。

  体に余分なものを取り除く働きを持つ・・・瀉剤(しゃざい)

  足りないものを補う働きを持つ・・・補剤(ほざい)

  体の状態を調整する働きを持つ・・・和解剤(わかいざい)


その中でも、現在、補剤が持つ健康効果に注目が集まっているとのことです。
補剤とは、健康維持に必要な気力・エネルギー・血液などを、その名のとおり「補ってくれる」働きを持ちます。
代表的な補剤として、下記の3種類の漢方薬の名前が紹介され、使い分けについての解説がありました。

  補中益気湯(ほちゅうえっきとう):「疲労倦怠」と「食欲不振」

  十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):「疲労倦怠」と「貧血や産後の疲れ」

  人参養栄湯(にんじんようえいとう):「疲労倦怠」と「せきや息切れ」

庄司さんの体調を改善させた「人参養栄湯」は、漢方薬の補剤の仲間だったのです。

この3つの漢方薬は、共通して「疲労倦怠」を回復させる効果を持ちます。そして、共通して人参(ニンジン)と黄耆(オウギ)という生薬が配合されています。

伊藤剛先生(北里大学 東洋医学総合研究所)から、「人参は代謝を上げたり身体機能を上げる作用があり、黄耆は体力を上げたり皮膚の傷を治す作用があります。」とのご解説がありました。

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マメ科ゲンゲ属キバナオウギの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて)

漢方薬の補剤に配合される、人参(ニンジン)というのは、八百屋さんやスーパーで売って売るセリ科ニンジン属のニンジンではなく、いわゆる薬用人参とか高麗人参と言われる、ウコギ科トチバニンジン属オタネニンジン Panax Ginseng の根です。

黄耆(オウギ)というのは、マメ科ゲンゲ属キバナオウギ Astragalus membranaceus の根を使います。T.K.

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