『養生訓・飲食 下』(35):たばこ(その2)

2021年9月2日木曜日

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いよいよ今回は、貝原益軒が「たばこ」と健康についてどのように考えていたか述べた部分を現代語に訳してみます。

養生に良いと考えていたのでしょうか? それとも、良くないと考えていたのでしょうか?

マメ科クズ属クズの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園から)

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「たばこ」の性質は「毒」である。煙を吸い込むと、めまいがして倒れることがある。

「たばこ」を吸うことに慣れてしまえば、大きな害は起こらず少しは役立つこともあるとはいっても、結果的には損害が大きい。

病気を起こすこともあり、また、火災を起こす心配もある。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から) 

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※ 現在、喫煙は、肺がんに限らず様々な臓器のがんを発症するリスクを上げることや、循環器系に良くない作用をすることが統計学的に分かっていますが、益軒は「たばこ」を吸う人と吸わない人の健康状態をよく観察して、直感的に「たばこ」の害の部分を理解していたものと思われます。(T.K.) 

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。 

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