昨日のブログに引き続き、漢方医学における「コオロギ」について調べています。
梅村甚太郎著『昆虫本草』(昭和18年・正文館書店)という書籍で、「コオロギ」に関する項目がないか調べたところ、「蟋蟀科(しっしゅつか)」で下記のような記載がありました。
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えんまこほろぎ
○ 之を調理するには袋に入れたるまま、之を水中に吊して日中より黒き液汁を吐き出さしめたる後、下文いなごの條に記せる如き方法にて食ふべし。
長野、福島の諸県にては成虫、幼虫を共に食ふが、山形県及び新潟県北魚沼郡等にても現在蝗(いなご)と同様に食用すると云ふ。
△ 台湾及び内地のある地方にては、すり潰して腫物に貼ると云う。
△ 長野県を始め高知県などにては、疳疾(かんしつ)ならびに解熱に煎用す。
△ 愛媛、大分等の諸県内にては、成虫を赤痢に薬用すと云う。
右の他、この類には、おかめこほろぎ、みいかどこほろぎ、大和こほろぎ、台湾こほろぎ等あるが、各地方にてほとんど前者と同様に使用するが如し。
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どうやら、コオロギを食用あるいは薬用にするためには、まず、コオロギの消化管の中にある未消化物や糞便をよく出してから調理すべきようですね。
薬用については、明日のブログで。(T.K.)