新型コロナに漢方薬は効果があるの?(報告その1)

2020年3月21日土曜日

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患者様から「新型コロナに漢方薬は効くんですか?」とご質問頂くことがありますが、最近やっと少しずつデータがでてきました。

中国の湖北省の夏文広先生らから「通常の現代医学的治療のみを受けた人」と、「通常の現代医学的治療に加えて漢方薬を併用した人」との間で、治療効果を比べたデータが発表されました。

今回のブログでは、このデータについて解説してみたいと思います。

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2020年1月15日から2月8日までの間に、中国の湖北省中西医結合医院で治療を受けた新型コロナウイルス肺炎患者さんに関する報告です。

「通常の現代医学的治療のみを受けた人」合計18名のグループと、
「通常の現代医学的治療に加えて漢方薬を併用した人合計34名のグループを比較してみたそうです。

両グループの間で、年齢、性別、既往症、肺炎の重症度などには差は無かったそうです。また、現代医学的治療として種々の抗ウイルス薬を使用していますが、その内容も両グループの間で差は無かったそうです。

従って、両グループの差は漢方薬の内服の有無だけということになりますので、漢方薬が新型コロナウイルス肺炎に効果があるかどうかを示唆するデータを得ることができます。

結果は、下記のようなものだったと報告されていました。


まず、「肺炎症状が無くなるまでの平均日数」は、漢方薬を併用したグループで2日間程度短くなっていた!そうです。



そして、「解熱するまでの平均日数」も、漢方薬を併用したグループで2日間程度短くなっている!ことが分かったそうです。



結果的に、「入院日数」2日間程度短くなっていた!ので、これらの結果からは、漢方薬を併用した方が、より早く良くなるということが言えそうです。



新型コロナウイルス肺炎にかかると、強いだるさ、食欲がない、下痢をする、など、肺以外の体調不良を伴います。この報告では「体調不良スコア」という指標を独自に定めていました。このスコアの点数が大きいほど、体調が悪いという訳です。

興味深いことに、退院時には、漢方薬を併用した方が「体調不良スコア」が低かった(=体調が良かった)!、という結果が出ていました。


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以上、結果をまとめますと、漢方薬を併用すると、約2日間早く肺炎症状が改善し、かつ、体調がよい状態で退院できる!というデータと言えそうです。

しかし、上記は少人数のデータですし、きちんと条件を揃えて行った研究ではありませんので、上記だけで漢方薬の併用が新型コロナウイルス肺炎に効果があるとは言えません。

今後、複数の施設による、もっと多人数を対象とした、条件を揃えた検討が必要だと思われます。(T.K.)

新型コロナに漢方薬は効果があるの?(報告その2)に続く

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