新型コロナに漢方薬は効果があるの?(報告その2)

2020年3月22日日曜日

t f B! P L
患者様から「新型コロナに漢方薬は効くんですか?」とご質問頂くことがあります。

前回のブログに引き続き、新型コロナウイルス肺炎に対して「通常の現代医学的治療のみを受けた人」と、「通常の現代医学的治療に加えて漢方薬を併用した人」との間で、治療効果を比べた報告についてご紹介致します。

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2020年1月20日から2月23日までの間に、中国の広州市第八人民医院に入院して治療を受けた73名の新型コロナウイルス肺炎患者さんに関するデータが、傅曉霞先生らによって報告されています。

73名の患者さんは、無作為に次の2つのグループに分けられ、下記のような治療を受けました。

「通常の現代医学的治療のみを受けたグループ」合計36名
   → 抗ウイルス薬を15日間内服

「通常の現代医学的治療に加えて漢方薬を併用したグループ合計37名
   → 抗ウイルス薬と漢方薬を15日間内服

両グループの間で、年齢、性別、既往症、肺炎罹病期間には差は無かったそうです。したがって、両グループの差は、漢方薬の内服の有無だけです。

結果は、下記のようなものだったと報告されていました。


まず、「15日間の治療の有効率」は、漢方薬を併用したグループの方が20%も高かった!そうです。



そして、「15日後の退院率」も、漢方薬を併用したグループで30%も高かった!そうです。



新型コロナウイルス肺炎にかかると、肺や気管の症状とともに、易疲労(だるさ)などの全身症状が出てきます。

この報告では咳嗽(せき)症状に対して、独自の「咳嗽スコア」を使っています。このスコアが高いほど咳嗽(せき)症状が悪いということです。

15日間の治療により、漢方薬を併用した方が「咳嗽スコア」が低かった(=せきの症状が改善していた)!、という結果が出ていました。



また、この報告では易疲労(だるさ)に対して、独自の「易疲労スコア」を使っています。このスコアが高いほど易疲労(だるさ)症状が悪いということです。

15日間の治療により、漢方薬を併用した方が「易疲労スコア」が低かった(=だるさの症状が改善していた)!、という結果が出ていました。



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以上、結果をまとめますと、漢方薬を併用すると、治療の有効率と退院率が上がり、症状も軽くすることができる!というデータと言えそうです。

今後さらに、複数の施設による、もっと多人数を対象とした、条件を整えた検討が必要になると思われます。(T.K.)

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