PCR検査は、ときにウソをつく(その1)

2020年3月9日月曜日

t f B! P L
新型コロナウイルス感染症に対する咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査の精度について、先月末のブログでご説明いたしました。しかし、お読み頂いた患者様から「ちょっと難しかったですよ。」とのご指摘を頂きましたので、もっとかみ砕いてご説明してみます。

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申し上げたかったのは「PCR検査は、ときにウソをつく検査である」ということです。

新型コロナウイルスに対するPCR検査は、次の2通りの方法でウソをつきます。

「ウソのつきかた その1」 本当は新型コロナウイルスを持っていても、ウイルスを含んだ体液をうまく採取できないなどの理由で、「新型コロナウイルスは見つかりません!」という結果を出してしまう。

「ウソのつきかた その2」 本当は新型コロナウイルスを持っていなくても、検出作業の過程で新型コロナウイルスの遺伝子の断片が混入するなどの理由で、「新型コロナウイルスが見つかりました!」という結果を出してしまう。

ちなみに、現在実際に新型コロナウイルスのPCR検査を行っている、国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那賢志先生によると、PCR検査が「その1」でウソをつく確率は30%程度、「その2」でウソをつく確率は0.1%程度だろうとのことです。

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ご理解頂けましたでしょうか?

忽那先生は感染症に関する高い専門性をお持ちの先生で、私も数年前に患者さんのことでご相談させて頂き大変お世話になりました。

次回のブログでは、(またちょっと話が難しくなりますが)、忽那先生がおっしゃる「ウソをつく確率」に基づいて、さらに日本で新型コロナウイルス患者数がもっと増えた状況における実際のPCR検査の精度について計算してみたいと思います。T.K.

モクレン科モクレン属コブシの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)


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