柏の葉診療所前の薬草園では、いまシソ科ハッカの花を見ることができます。顔を近づけるとさわやかなハッカの香りがします。
ハッカの地上部は、葉を中心として清涼感のある精油メントールを含有し、「薄荷(はっか)」として漢方薬に用いられています。
『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には記載がないのですが、唐の時代の本草書『新修本草(しんしゅうほんぞう)』には、「風邪をひいて汗をかいたとき・胸やお腹に何かがつまっているとき・食物の消化が悪いときに使われる。」と記載されています。
小野蘭山は『本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)』で「対生する葉と葉の間に、茎の節を取り囲んで小さな花が群がるように付く。花の色は白くてわずかに紫色をおびる。秋になると高さ二三尺まで成長する。」と記録しています。
薬草園のハッカの丈は現在30-40cmというところです。一尺は約30cmですから、秋にはもっと成長するのでしょうか? T.K.