千葉大学柏の葉キャンパスにて(2018/2/15) |
米飯はよく人を養うものなのだが、(食べ方を間違えると)よく人を害するものである。故に、米飯は特に多く食べてはならない。ふだん食べてちょうど良い分量を決めておくべきである。
米飯を多く食べると、胃腸に負担をかけ、かえって元気が出なくなる。他の食物を食べ過ぎた時より、米飯を食べ過ぎた時の方が消化しずらく大変害がある。
食事の後に、さらに茶菓子と言って、お餅やお団子などを食べたり、あるいは、※後段(ごだん)と言って麺類などを食べれば、お腹が張って「気」が流れなくなり食事が体を傷つけてしまう。これは、ふだんの食事の量を超えてしまったからである。
茶菓子や※後段(ごだん)は、本来の食事以外の食べ物であり、少量だけ食べれば良いのであって、過食してはならない。
もし、食後に何か食べたいと思ったら、あらかじめ米飯の量を減らしておくべきである。
(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)
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※後段(ごだん)というのは、江戸時代に客へのもてなしとして、食事のあとでさらに供された飲食物のことだそうです!(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。