新型コロナに対する清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)の効果は?

2020年4月6日月曜日

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新型コロナウイルス肺炎患者さんに対して、現在中国では、清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)という漢方薬が補助療法として使われています。

清肺排毒湯に関しては、既に下記の2月のブログでもご紹介致しました。

  「清肺排毒湯」って、新型コロナウイルスに効くの?

  「清肺排毒湯」って、何が入ってるの?

  日本で「清肺排毒湯」の効果を得る工夫

その後、清肺排毒湯の効果に関する新しい報告が、中国四川省の西南医科大学附属中医医院の王饒瓊先生らから発表されましたので、今回のブログでご紹介いたします。

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これは、新型コロナウイルス肺炎に罹患して入院し、清肺排毒湯を投与された下記の98名の患者さんに関するデータです。

  男性52名、女性46名。
  平均年齢 42.7±16.9歳(10歳代〜80歳代)。
  軽症54名、中等度33名、重症と重篤11名。

王先生らは、新型コロナウイルス肺炎の重症度を、症候スコアという数字で評価できるようにしました。このスコアが大きくなければ重症化し、スコアが小さくなれば肺炎の治癒に近づくという訳です。


なお、清肺排毒湯投与の効果を、王先生達は、下記のように4段階で評価しました。

症候スコアが、投与開始前の5%以下に減少(症状が基本的に消失) → 臨床的治癒

症状スコアが、投与開始前の5-30%に減少(症状が明らかに改善) → 著効

症状スコアが、投与開始前の30-70%に減少(症状が改善)→ 有効

症状スコアが、投与開始前の70%以上にとどまるか、増加(症状はあまり改善ない、あるいは、増悪)→ 無効


王先生らは、清肺排毒湯投与の効果について下記のように報告してします。

投与開始3日後には、臨床的治癒例と著効例とあわせて、ほぼ50%という成績でした。



投与開始6日後には、臨床的治癒例と著効例とあわせて、ほぼ60%に増加したそうです。



投与開始9日後には、臨床的治癒例と著効例があわせて、ほぼ70%に増加しています。



なお、投与開始前に軽症と中等症だった患者さんで、重症化あるいは重篤化した方は一人もいなかったそうです。また、投与開始前に重症あるいは重篤だった患者さんも、死亡した方はいなかったそうです。

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ただし、以上のデータは、対照群をおいた無作為投与試験結果ではないので、このデータから新型コロナウイルス感染症に対して「清肺排毒湯」が医学的に効果があると断定することはできませんのご注意下さい


※なお、日本国内で新型コロナウイルス感染症を疑った場合は、直接クリニックや診療所などの医療機関には受診せず、まず速やかに管轄の保健所に設けられた「帰国者・接触者相談センター」に連絡し、指示に従って下さい。(T.K.) 


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東洋医学に基づいた丁寧な診察を行い、本格的な漢方治療・鍼灸治療をご提供しております。 どなたでも受診できますので、お気軽にご相談ください。

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