この第6版では、昨日のブログでご紹介しました「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)」にどんな生薬が入っているかの情報が公開されています。
*****以下、中国政府による「新型肺炎診療ガイドライン案・第6版」の一部を翻訳*****
清肺排毒湯
適用範囲:軽症、中等症、重症患者に適用する。重篤患者の集中治療中でも状況に応じて使用できる。
処方の内容:麻黄、杏仁、甘草、石膏、柴胡、黄芩、半夏、生姜、桂枝、猪苓、沢瀉、茯苓、白朮、射干、紫苑、款冬花、細辛、山薬、枳実、陳皮、藿香
***** 引用は以上です *****
処方の内容の後の漢字の羅列は、全て生薬の名前です。実は、「清肺排毒湯」という漢方薬は、現在の日本では知られている漢方処方ではありません。
もし、現在の日本で知られている漢方処方を組み合わせて「清肺排毒湯」を作るとすると、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)と柴苓湯(さいれいとう)と射干麻黄湯(やかんまおうとう)という最低3つの漢方処方をミックスしなければならず、かえって体に負担をかけてしまう可能性があると思われます。
従って、今後中国で「清肺排毒湯」についての効果が確認できたとしても、それを日本国内で応用するとしたら、安全性が確保されるような工夫が必要になると考えます。
次回のブログでは、日本よく使われている漢方薬を組み合わせて「清肺排毒湯」の効果を得る工夫について、検討してみます。
オオバコ科クワガタソウ属オオイヌノフグリの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園) |
※なお、日本国内で新型コロナウイルス感染症を疑った場合は、直接クリニックや診療所などの医療機関には受診せず、まず速やかに管轄の保健所に設けられた「帰国者・接触者相談センター」に連絡し、指示に従って下さい。(T.K.)
「清肺排毒湯」に関係するブログ
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