『養生訓・飲食 下』(29):お茶の飲み方(その3)

2021年5月6日木曜日

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貝原益軒が、お茶の飲み方についての注意点を語っています。

ボタン科ボタン属シャクヤクの花(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)

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虚弱な人や病人は、その年の新茶を飲むべきではない

眼の病気、のぼせ、血便、下痢などを起こすおそれがある。

次の年の正月になってから飲むべきであるが、人によってはその年の九月か十月から飲んでも害はない。

新茶を飲んで、体調が悪くなったら、香蘇散(こうそさん)、不換金正気散(ふかんきんしょうきさん)という漢方薬を症状によって選んで服用するか、または、梅、甘草(かんぞう)、砂糖、黒豆、生姜(しょうが)などを用いなさい。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から) 

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現代医学的にも、カフェインを摂取しすぎると、精神的な興奮、不眠、心拍数の増加、吐き気、ひどくなると筋肉の震えなどを起こすことが知られています。

新茶だからカフェインの含有量が多いという訳では無さそうですが、香りが良いので益軒は上記のような注意をしたのでしょうか?

現代医学的にも特に、気持ち・自律神経・心臓に不調がある方は、新茶であっても、そうでなくても、カフェインの摂取量には十分気をつけるべきでしょう。(T.K.) 

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。 

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