貝原益軒が、「お酒」と「お茶」の性質を比べて語っています。
「お酒」は温める性質があるが、「お茶」は冷やす性質がある。
「お酒」を飲むと”気”は上に昇るが、「お茶」を飲むと”気”は下に降りる。
「お酒」に酔うと人は眠ってしまうが、「お茶」を飲めば目が醒める。
「お酒」と「お茶」の性質は、裏表の関係にある。
(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)
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おそらく現代では、世界のほとんどの文化の中に、「お酒(アルコール)」と「お茶(カフェイン)」が存在していると思います。
ただし、それぞれに、身体や精神に与える影響はとても大きいので、文化的な背景や宗教的な理由があって、「お酒(アルコール)」の摂取を禁じたり、「お茶(カフェイン)」の摂取を禁じたりする、習慣や戒律が生まれてきたものと想像します。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。