本日8月30日は、台風10号の影響で、各地で記録的な大雨となっています。
地域によっては、まずは安全な場所で災害から身を守っていただかなければならない状況かと思いますが、災害には見舞われていなくても台風に伴って体調不良を起こしていらっしゃる方も少なくないかもしれません。ここでは台風などによってもたらされる「気象病」についてお話します。
気象病は、気候や天気によって気圧、気温、湿度が変化することで起こる身体の不調の総称で、具体的な症状としては頭痛、めまい、疲労感、関節痛、気持ちの落ち込み(うつ)、吐き気、喘息などが挙げられます。
発症原因の中でも、特に大きく関係しているとされているのが気圧の変化です。
気圧は人間の身体に対しても常にかかっている状態ですが、体の内側から同じ力で圧を発することで、均衡を保つよう自然と調整を行なっています。
今日本列島に来ている台風こそ低気圧そのものです(ちなみに台風とは熱帯低気圧のうち最大風速 17.2m/s以上のものです)が、それ以外にも、季節の変わり目や梅雨などにより気圧が下がると、この調整がうまくできなくなることがあります。
身体への圧力が弱まって血管が拡張することにより様々な症状が出ると考えられます。
季節の変わり目や朝晩の寒暖差が大きくなる時期は、自律神経の調節が追いつかずにバランスを崩しやすく、気象病の症状以外にもアレルギー症状や疲労感が現れやすいと言われています。
また、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体の水分の代謝が悪くなるため、熱がこもりやすくなったり、局所の冷えが起きやすくなったりするなど、体温調節がうまくできなくなることがあります。その結果、痛みなどが起こる要因になります。
気象病は、自律神経のバランスが崩れやすい方に多いとも言われています。
そもそも「自律神経」とは、心臓や血圧、消化器などの働きを調節する神経で、内外からの刺激に対して反応します。気圧や湿度、温度などの変化は、自律神経に影響を与えます。自律神経が過敏に反応すると、血管が収縮したり拡張したりするため、頭痛、めまいをはじめ、様々なを引き起こしやすくなります。(ストレスや疲労なども自律神経に影響を与えますが、ここでは割愛させていただきます。)
漢方では、こういった気圧や気温の変化で悪化する場合、「水毒」が関わっていると考えます。
「水毒」とは、身体の中の水分バランスが乱れることによって様々な症状を引き起こしている状態を指します。
具体的には ①めまいや立ちくらみ ②頭痛や頭重感(頭がダル重い) ③耳鳴り ④冷え症 ⑤車酔い ⑥むくみ ⑦下痢 が挙げられます。
(身体所見でも舌に歯形がついていたり、腹部に振水音を認めたりすると水毒を疑います。)
では、水毒をどのように治していけばいいのでしょうか?
もちろん、漢方薬の中にも、水毒にいいとされる処方は複数あります。
しかしながら「漢方薬をのむ」のは漢方治療の一つの手段に過ぎず、いくら漢方薬を服用しても、きちんと養生しなければ、薬の効果も期待できなくなってしまいます。
養生にもいろいろあるのですが、日本では古くから「食養生」といって、身体が求める食事を正しく選ぶことで、健康を維持していくという考え方があります。
「水」のめぐりを整える食材→カボチャ、トウモロコシ、大豆、小豆、キュウリ、スイカ
などが挙げられますが、上手に日々の食事の中で取り入れていただければと思います。
その他の養生として、気象病や水毒の方にお勧めしたいこととしては
になります。
日本は島国で低気圧の影響を受けやすいですので、積極的に取り入れていただければと思います。その上で漢方薬が必要な方は、ぜひ、当院でお待ちしております😄 yi