秋の養生

2024年9月6日金曜日

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 9月に入り、朝晩は涼しくなってきましたね!

といっても、今日の日中は猛暑🌞🌞🌞という地域も多いようですが💦


今日のテーマは、「秋の養生」についてです。

漢方の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』では、秋の3か月を「容平(ようへい)」と言い(※秋になるとすべてのものの形()が定()まるという意味)、秋の養生法を次のように述べています。

「この季節は、鶏のように、早く寝て早く起きるべきである。心を安らかにして、あれもこれもしたいなどと気を乱したり、活発に動き過ぎてはいけない。これに背くと秋の気である肺気が痛む。秋に肺を冷やすと肺を損傷し、冬になって食物を消化しきれずに下痢がちになる。」


秋は、花が実を結び、翌年のために生命力を種の中に収める時期であり、人間にとっては物事を仕上げたり整理したりするのにふさわしい季節です。秋になって何か新しいことを始めようとすると秋の気であるを傷めます。(※漢方でいうは臓器としての肺臓だけを指すのではなく、呼吸を担ったり気や水を全身に運ぶ器官を指します) 

夏の暑い時期には、皮膚の毛穴は開き、発汗や皮膚呼吸により老廃物や水分の代謝が活発になっていますので、咳や鼻炎など呼吸器系に病気を持っている人でも比較的過ごしやすい季節でありますが、秋口に入り、朝晩がめっきり涼しくなってくると、そうはいきません。皮毛が閉じてのどや鼻に負担が掛かってきます。また、秋の乾燥した空気はのどや鼻の粘膜などに炎症を起こしやすくします。


ようやく本題です!

~秋の養生~ 

①食養生

「肺」を補う食材としては、れんこん、百合根、白きくらげ、白ごま、豚肉、梨、柿、ぶどうなどが挙げられます。白色の食材は体に潤いを与え、乾燥の害から体を守ってくれるものが多いです。(白砂糖や白米や白い小麦製品は、白色ですが精製して白くしているので推奨できません!!)

また、冬に皮毛が閉じる前にもう一度「気」の入れ替えをする時に役立つ食材として、「辛味」であるネギ、ニンニク、カレー、山椒、大根、玉ねぎ等もお勧めです。ただし、乾燥による体調不良を感じている時には唐辛子や香辛料などの熱性の強い食材は、状況を悪化させる可能性があるため摂り過ぎを避けることも大切です。

秋の味覚の中で梨、銀杏、金柑等は肺を潤し、咳を出にくくする食材です。


②精神養生

秋の気は「憂」と言われます。憂いや悲しみの気持ちが出易くなっても、ある程度は季節の影響と受け止め、ゆったりと構えましょう。もしそのような気持ちになっても、それを溜め込まずに発散してきましょう。
憂愁の気持ちは、強すぎると肺の精気を損傷し、宣発(せんぱつ=上昇して広く行き渡らせるの意味で、呼吸により体内の濁気を排出、脾からの水分と栄養物を全身に散布し、汗を体外に排出する機能)と粛降(しゅくこう=清粛、清潔、下降という意味で、自然界の清気を吸入した清気と脾からの水分と栄養物質を下に降ろし、肺と呼吸器にある異物を取り除き清潔に保つ機能)を失調させ、気の運行不利を起こし、肺気消耗に陥り抵抗力が落ちると考えられています。

肺を潤しながら補い、憂いを除いて冬になっても風邪をひかないことを目標にしたいものです。


③生活養生

気の勢いが外向きから内向きに変わるので、皮膚の防衛力が手薄になります。薄着でからだの熱や水分を逃がしたりして、かぜを引かないように気をつけましょう。また、汗をかいたらすぐに拭いたり着替えたりしてください。

また、激しい運動でエネルギーの消費や発散を強めてしまうと自然に逆行することになり、来るべき冬に向け健康を維持できなくなります。「スポーツの秋」とはいいますが、無理はせず楽しむ程度に行いましょう。

そして、早寝早起きを心掛け、寝すぎないようにしましょう。長く寝ていると、秋と関係の深い肺気が虚すといわれています。肺が弱っている人にとって、体を休ませ過ぎることは、気のめぐりをますます悪くします。もちろん、だからといって、睡眠不足で体調を崩すことのないようにしましょう。


漢方の知識を活かして、気持ちのよい秋の季節をのんびり健やかに過ごしていただければ幸いです😄

秋はおいしい食べ物がいっぱい♪


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🍀 東京都墨田区にある漢方クリニックです 🍀 体質に合わせた漢方薬・鍼灸治療をご提供いたします ーどうぞお気軽にお問い合わせ下さいー (東京都墨田区文花1-19-1 千葉大学墨田サテライトキャンパス3F)

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