皆さまも御存じのアンデルセン童話です。
地上界に住む王子様に逢おうと、人魚のお姫様は魔女にお願いして美しい声と引き換えに足を得たのです。しかし、歩くたびに刃物を踏むような激痛に見舞われるのでした。
アンデルセンの父は靴職人でした。裕福な婦人のためにヒールの高い靴を誂え、時に無理な注文に応え、家族を養うために懸命に働く父の姿をアンデルセンは見ていたかもしれません。
「赤い靴」や「マッチ売りの少女」「人魚姫」など靴や足が印象的に使われるのは、そのためでしょうか?
歩くたびに痛むのは、人魚姫だけではありません。現代の私たちも足指や土踏まずの変形、痛風、関節症など様々な足の痛みを抱えています。
足底は土踏まずと足指付け根の縦横ふたつのアーチがきちんと保つことで、無理なく体を支えます。ですから足指付け根の横のアーチを保つための筋肉が鍛えられていないと、外反母趾や内反小趾などの足指の変形が生じてしまいます。
「足指じゃんけん」や「下駄の鼻緒」を挟む訓練など足底の筋肉を使ったり、ヒールの高さや靴のサイズに無理はないか、また中敷きが正しく機能しているか等の配慮が必要です。人魚姫は、もともと水中生活者ですから足の筋肉を鍛えていませんし、歩行も初めての行為です。それがハイヒールのパンプスを履いてコルセットを締めドレスを着るのですから、足が痛むのも納得です。
また、水中で16年暮らした訳ですから、「冷え体質」であったかもしれません。憧れの王子様の前では嬉しさと共に緊張もしたでしょう。
「緊張:交感神経が優位である状態」は血管は収縮し手足が冷えます。「冷え体質」に「緊張」では足の痛みが増してしまいます。
日々の心がけで予防できる「足の痛み」もあります。生活を省みませんか。(Y)