『養生訓・飲食 上』(19):食べ過ぎ・飲み過ぎが良くない理由

2018年10月18日木曜日

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『養生訓』の中で貝原益軒は、食べ過ぎ・飲み過ぎが良くないことを繰り返し説いています。今日の取り上げる項目の中には、食べ過ぎ・飲み過ぎが良くない理由を、東洋医学の考え方から説明しています。

ホトトギス(杜鵑草)の花
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食べる量が少なければ、胃腸の中に空いた部分が残るので、「元気」が巡りやすく、消化しやすく、飲み食いした物はみな体の栄養分となる。したがって、病気にかかることも少なくなり、体は強くなる。

もし、食べる量が多くてお腹が一杯になってしまうと、「元気」が巡るはずだった道がふさがれ、すき間が無くなり、消化できなくなる。したがって、飲み食いした物は、体の栄養分とならない。(飲食物が)滞って「元気」の道を塞いでしまい、「元気」が巡らないで病気になる。

(食べる量が多過ぎると)ひどい場合は、もだえて死んでしまう。これは、食べ過ぎにより(飲食物が)お腹の中に満ちて、気が塞がって、巡らなくなるからである。食後に発病したり、あるいは急死するのは、このためである。

一般に、大飲家や大食家は必ず短命である。大飲や大食の習慣は、早くやめるべきである。

繰り返しになるが、高齢者は胃腸が弱いので、飲食より胃腸をいためやすい。だから、たくさん飲食するべきではない。おそれなければならない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)

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『養生訓・飲食 上』をゆっくりと読み進んできましたが、次回でこの篇は完了とし、『養生訓・飲食 下』に移りたいと思います。(T.K.)

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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