『養生訓・飲食 下』(17):「食医(しょくい)」の役割

2019年11月7日木曜日

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貝原益軒が、「食医(しょくい)」という、周王朝の官職の一つについて語っています。これは、どんな官職だったのでしょうか?

ミカン科ゴシュユ属ゴシュユの果実(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)
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昔、大陸では「食医」という官職があった。食養生によって、様々な病気を治したと言われている。

今でも、食養生は無くてはならないものである。

特に高齢になると胃腸が弱くなるので、食養生が最も適している。

薬を用いるのは、やむを得ない時だけの話である。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

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周王朝の官職の制度について書かれた書籍『周礼(しゅらい)』では、医師を4種類にわけています。

すなわち、「食医(しょくい)」、「疾医(しつい)」、「瘍医(ようい)」、「獣医(じゅうい)」です。

「疾医(しつい)」とは、現代の内科医にあたり、「瘍医(ようい)」とは現代の外科医にあたり、「獣医(じゅうい)」とは現代の獣医師にあたります。

「食医」という職業は 、現在はありませんので、お一人おひとりがご自分の「食医」になって下さい!

なお、飲食についてのお話は今回で終わりです。次回からのテーマは「お酒の飲み方」です!(T.K.)

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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