3月1日のブログに引き続き、2021年2月27日にNKH総合で放映された、東洋医学ホントのチカラ「新型コロナに負けない心と体」の内容に関連してちょっとコメント申し上げます。
新型コロナウイルスに感染して2週間入院された庄司智春さんは、退院後も体調が回復しないので、漢方薬の治療を受けることになり、「胃腸の状態が弱り、体の中心が冷えている」との漢方的診断を受け、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」の内服で無事回復されました。この時、庄司さんに処方されたのは、「人参養栄湯」の医療用製剤で、いわゆる漢方薬のエキス製剤と言われるものです。
番組では、庄司さんがこのお薬を内服している様子も紹介されていましたが、庄司さんは下記のようにエキス製剤の粉を直接口に入れて内服されていました。
もちろん、一般的にはこの飲み方でも悪くはないのですが・・・
漢方薬のエキス製剤というのは、粉状のインスタントコーヒーのようなもので、煎じた漢方薬を濃縮させ、スプレードライ製法あるいはフリーズドライ製法で粉状にしたものです。いくらコーヒー好きな方でも、インスタントコーヒーを粉のまま味わう方はまずいらっしゃらないと思いますので、漢方薬のエキス製剤についても基本は、「湯に溶かして内服する」ことです。
特に下記のような場合には内服方法に工夫が必要です。
風邪の引き始めで背筋がゾクゾクするなどの「さむけ」があったり、「冷え症」で手足が冷えやすい、お腹が冷えやすいという時には、是非、熱いお湯に溶かした漢方薬を「フーフー」と言いながらゆっくり内服することをお薦めします。
だから、今回「体の中心が冷えている」と診断された庄司さんは「人参養栄湯」のエキス製剤を熱い湯に溶かして内服された方が、もっと早く良くなったかも?
ただし、精神的に興奮状態にあったり、出血が起こっているような場合は、熱い漢方薬を飲むとかえって症状を悪化させてしまうこともあるので、この場合は、冷ましてから飲むか、粉のままの内服でも宜しいかと思います。T.K.