東京の桜も満開になりました🌸
桜の美しい素晴らしい季節ではありますが、この時期は寒暖差も大きく、新年度という環境変化もあり、体調を崩しやすいので、注意していきたいですね。
ところで、「漢方治療=漢方薬」と思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、それは少し違うのです!
漢方治療は ①漢方薬 ②鍼(はり) ③灸(きゅう) ④按摩(あんま) ⑤養生
からなります。
①漢方薬
天然由来の様々な生薬を組み合わせたもの。それらを煎じて飲むのが一般的。
②鍼(はり)
体中にあるツボに鍼で刺激を与え、気や血の巡りを改善する手技。極めて細い鍼で皮膚を浅く刺してツボを刺激する。
③灸(きゅう)
鍼と同様に体中にあるツボに刺激を与え、気や血の乱れを正す手技。ツボの上に小さく丸めた艾(もぐさ)を乗せて火をつけ、熱でツボを刺激する。
④按摩(あんま)
体のツボを指圧したり、経絡に沿ってマッサージしたりすることにより、気や血、リンパの流れを改善する。
⑤養生
病気の回復または病気にならないよう健康に留意して、食事や日常生活を規則正しいものに改善すること。
⑤養生ですが、「医食同源」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
「食と健康は深く関係している」という考えです。
季節や体質に合った食生活を心がけることで、病気の予防に効果があるとされています。
漢方では、食べ物が持つ味を「酸(すっぱい)」・「苦(にがい)」・「甘(あまい)」・「辛(からい)」・「鹹(しょっぱい)」の5つに分類しています。単純に実際の味覚を表すだけでなく、どういう機能があるかも表しています。
たとえば、「苦」は熱を冷まし、炎症を鎮めたり、余分な水分を排出する働きがあるので暑い時にたくさん取りたいもののなりますし、「辛」は身体を温めて気と血を巡らせる働きがあるので寒いときにたくさん取りたいものになります。
実際、夏には夏野菜をのせたそうめんやら、冬には温かいお鍋やら、無意識のうちに季節に合ったものを召し上がっている方も多いのではないでしょうか?
では、今の時期に適した食べ物はどういったものになるでしょうか?
春は五臓のうちの「肝」が不調を来たしやすい(自律神経が乱れやすくなったり、血流が滞りやすくなったりする)と言われています。また「肝」の調子が崩れることで「脾」の調子も崩れると胃腸が弱り、元気が出なくなります。
🌟「肝」の調子を整えるには「酸」
梅干し、レモン、お酢、ゆず、りんご、いちごなど
→水分の排出を抑え、血液をさらさらにする
🌟「脾」の調子を整えるには「甘」
米、はちみつ、ナツメ、かぼちゃ、にんじん、卵など
→滋養強壮、緊張を緩める、痛みを取る
滋養強壮や緊張を緩める働きがあることを考えると「疲れた時は甘いもの♪」を口にしたくなるのは理にかなっているのだと思います。
しかし、砂糖やフルーツの糖分はからだを冷やしてしまうので、間食の時には、はちみつを入れた温かい飲み物やナツメを干したものなどがお勧めです。
「甘味」というとあんみつなどの甘味屋さんなどを思い浮かべてしまう方も多いかもしれませんので、卵が「甘」に分類されるのは不思議な感じがするかもしれませんね。
私は人参と卵を大量に消費できるメニューとして「にんじんのしりしり」を季節関係なく作っていましたが、改めて勉強してみると、この時期に出番が多くなりそうです!
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