今週17日(水)から連日、大陸から飛来してきた黄砂が観測されています。
気温が上がってきていて、マスクを外していらっしゃる方も多くなっていますが、いったん落ち着いてきた花粉によるアレルギー症状が、また悪化してしまったという方も多いのではないでしょうか?
天気予報によると、今日19日(金)は次の気圧の谷の通過に合わせて上空の風が強まるため、今後は黄砂は次第に消散する見通しだそうです。ただし地表付近は風が弱く、高気圧の影響で対流が抑制されることで、空の低いところで黄砂を含む粒子が滞留しやすい状況であり、今日いっぱいは低い空の霞んだ状態が続く可能性があるそうです。
ところで黄砂は中国大陸から飛んでくるときに、途中で硝酸塩や硫酸塩などの汚染物質の粒子がくっついて来ます。湿度の高いところを飛んでくると、水分によって硝酸塩や硫酸塩が溶け、肌に付着するとアレルギー反応の原因となります。金属成分も含まれるため、金属アレルギーを起こすこともあります。
黄砂の大きさは様々で、大きな粒は地上に降ってきますが、小さい粒はなかなか落ちてこずに空に漂い、雨が降ったときに雨と一緒に落ちてきます。
では、その小さい粒がどれくらい小さいかというと約4μm😲
といってもピンとこないかもしれませんが、人の髪の毛の直径が約100μm(0.1mm)なので、その25分の1です!!
ちなみにスギ花粉は約30μmです。
しかもスギ花粉は丸みがあるのに対し、黄砂はギザギザしているので、肌も車も洗濯物も傷がつきやすくなるわけです😨
参考までに、PM2.5の大きさは?というと、文字通り2.5μg/㎡以下の微粒子の総称で、黄砂よりもさらに小さいのです! 肺の奥まで入りやすいと言われており、誰も吸い込みたくないと思いますが、何せ肉眼的に確認できないので困りますよね😓
前置きが長くなりましたが、
漢方はこうしたアレルギー症状に効くのか?ということを聞かれそうですが、漢方薬は基本的には病原に対する生態防御反応(眼のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰など)に有効です。
もちろん症状を改善させる目的で服用していただきますが、漢方薬は体全体に作用します。例えば「小青竜湯」という漢方薬であれば、冷えを温め、水分循環を促し余分な水を体から排出することで、花粉症など鼻炎の症状を改善させる働きがあります。
体質(冷えが強いか熱感が強いか、胃が強いか弱いかなど)や症状(サラサラの鼻水が出るのか鼻づまりがひどいか、咳がひどいかなど)によって使う漢方薬は異なります。
西洋医学ではアレルギーに対する薬剤として抗ヒスタミン剤(抗アレルギー剤)が主流になっていますが、「眠い」「ボーっとする」「集中できない」「喉が渇く」「便秘する」など副作用もあります。いくら症状がつらくても、副作用が強く出てしまうのは良くないですよね?
特に「粘膜が渇く」という副作用は、本来は鼻水や痰で絡めて体外に出すべき異物が、バリア機能が低下したために体内に入ってしまうことになりかねません。
黄砂やPM 2.5が体の奥まで入るリスクを高めてしまう可能性があります!
漢方薬を活用していただくことで、少しでもおつらい症状が楽になっていただければと願っております😊