2019年9月5日木曜日

『養生訓・飲食 下』(12):疲れすぎた時の食事のしかた

健康を維持するための食べ方の注意点を、『養生訓』からご紹介しています。今回は「疲れすぎた時の食事のしかた」です。

セリ科ミシマサイコ属ミシマサイコ(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)

*****

疲れ切った時にたくさん食べてしまうと、人は必ず眠たくなって横になりたくなるものである。

食べてすぐ横になって眠ってしまうと、「食物の気」が塞がってめぐらず、食物をうまく消化できなくなり、病気になってしまう。

だから、疲れ切った時には、食べてはいけない。

疲れがとれてから、食べるべきである。

食べた後に眠らないためである。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

*****

現代医学的には、食事の直後に眠ることが健康に良くないというお話は一般的ではないと思われます。ただし、睡眠中のホルモンの状態などはまだ分かっていない点も多いと思いますので、上記の貝原益軒の主張も意味があることなのかも知れません。(T.K.)

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

2019年9月3日火曜日

秋明菊が見頃です(シュウメイギク)

薬草園の奥の方で、ひっそりとシュウメイギクが咲いています。
漢字で書くと「秋明菊」。

菊のようにも見えますが、菊ではなく、キンポウゲ科のアネモネの仲間です。
別名「秋牡丹」とも言われ、中国から伝来した帰化植物です。
菊なの?牡丹なの?(どちらでもないのですが)少し紛らわしい名前ですね。

交配がされているので、花弁、花の色もいくつかあるそうですが、薬草園のは一重で白色の品種です。

キク科と違って、キンポウゲ科は薬や毒になるものが多いため注意が必要です。
シュウメイギクも汁に毒があるそうですので、生け花やお庭でのお手入れの際はご注意を(S)。

2019年8月31日土曜日

液体の漢方薬を旅行に携帯する際に

夏休みも終わりですが、旅行に行かれた方も多いと思います。
持病のある方は、お薬も準備して出かけられると思います。

漢方薬で少し厄介なのが、剤形として液体物があるという点。
当診療所でも、体調に合わせた抽出パック(1包100ml)をお作りしています。

特に気を付けたいのが国際線です。
通常液体物は100ml(g)以下の容器に入れ、容量1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック製袋(目安は20x20cm)に入れます。
ジャムとか蜂蜜、味噌、漬物なども液体に入ります。はい、カレーも飲み物です^^

医薬品は容量制限には当たらないのですが、医薬品として申し出る必要が出てきます。もし、他の液体物同様100ml以下の容器に入れれば、申し出る必要がなくなるので、より手続きが簡素化できます。
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/common/001105372.pdf

したがって、抽出パックも上記袋に入れて機内に持ち込めますが、必要な分だけにしましょう。
できるならスーツケースに全部入れた方が無難です!というのも、リンク先にあるように海外において同様の扱いを保証するものではないからです。

こちらで出来ることとして、抽出パックの薬の説明書を英語にしてお渡ししています。薬と一緒に同封し、質問された際に使えるようにしておいてください。

また、処方薬の説明については、「くすりのしおり」に英語版がありますので、印刷しておいてもよいでしょう。
http://www.rad-ar.or.jp/siori/index.html

抽出パックは重くてかさ張りますので、エキス製剤で代用できる場合もありますので、先生にご相談くださいね(S)。


2019年8月20日火曜日

池のビフォアアフター

お盆を過ぎて少し気温が下がってくれるとありがたいですね。
薬草園ではひっそりと萩の花が咲き、朝の少し涼しい風に吹かれると、何となく秋に近づきつつあることを感じます。

暑さの厳しいとある日に、花卉研の方々が薬用植物園の池をきれいにしてくださいました。

その様子のブログです(花卉・苗生産ブログ)。
http://naeseisan2.blogspot.com/2019/08/blog-post_19.html

ショウブやハス、アサザなどの植物が整えられ、水面が見えるように。トンボがやってくるようになりました。
また、浮草もあっという間に水面を覆いつくすので、掃除しないとですね。

なかなか作業に参加できず、いつも色々とありがとうございます!(S)

2019年8月1日木曜日

黄金色の根をもつコガネバナ

暑いという言葉しか出てきませんが、いかがお過ごしでしょうか。

薬草園ではコガネバナの青い花が咲いています。

シソ科タツナミソウ属のコガネバナです。
根が黄色いことからコガネバナと言われます。

日本には自生していないんですね(タツナミソウは日本にあるそうです)。江戸時代に種子を朝鮮から輸入して小石川植物園で栽培されたのが始まりだそうです。
花の向きが揃っていて「波が立っている」ように見えませんか?

黄色い根をオウゴンとして漢方薬に用います。味は苦く、体を冷ます性質のある、代表的な清熱燥湿薬のひとつで、呼吸器、消化器、泌尿器などの炎症や熱性疾患に用いられます。
調整済のオウゴン

優れた作用を持つ一方で、まれに間質性肺炎や肝機能障害をきたす場合がありますので、漫然と服用せず、経過をよく観察し、検査も行いながらの服用が推奨されます。
市販の漢方薬も同様に注意が必要です。(S)

2019年7月30日火曜日

砂浜のマキビシ? シツリシ

関東は梅雨が明け、急な暑さで参りますね。

薬用植物園のハマビシが伸長し、花が咲いていますが、実もでき始めました。


生薬のシツリシとの比較をしました

ハマビシ(ハマビシ科ハマビシ)は、日本では西の方の海岸に多いようですが、絶滅が危惧されている植物です。未成熟果実をシツリシ(蒺藜子)と呼び、生薬として用いています。

結構簡単に実が採れるのですが・・・棘が出ていて痛いです!

西洋のマキビシは、ローマ時代にtribulusと呼ばれていたそうですが、ハマビシの学名Tribulus terrestrisの由来になったそうです。

漢方ではめまいや眼科疾患、皮膚のかゆみ、胸腹の痛みなどに用います。

生薬のメーカーが最近は棘を研磨しているので、触ってもそんなに痛くはないですが、形に見入ってしまう生薬のひとつです。(S)

2019年7月25日木曜日

梅雨明け間近

関東の梅雨明けも近そうですね。
グンと暑くなってきたので、熱中症が心配されますね。

・疲労、寝不足、体調不良時は無理しないこと
・欠食しないこと
 食事で塩分などのミネラルを摂取していますから、飲料、味噌汁、汁物などで水分も摂取しましょう。
・水分摂取
 予防のための補給源としては、アルコール以外でお願いします。
 カフェインに利尿作用があるということで避けられることもあるようですが、コーヒーやお茶に慣れ親しんでいる場合には、耐性がついているため、水分補給源として問題ないそうです(カフェインをあえて添加した飲料は駄目です)。
 
 環境の影響を受けてもすぐに脱水にならないよう、体の恒常性を維持する健康づくりが一番大事と言えましょう。(S)
蓮:今朝咲いて、閉じたのかもしれません…?