『養生訓・飲食 下』(1):瓜(うり)

2018年12月6日木曜日

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今回から10回程度で『飲食 下篇』を現代語訳して行きたいと思います。

イチョウ科イチョウの並木(千葉大学柏の葉キャンパス)
『飲食 下篇』では、具体的な食材の名前を挙げて、食べるときの注意点について解説しています。今日は、「瓜(うり)」についてです。

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瓜(うり)は、涼しい風の吹く日、そして秋になって涼しくなったら、食べてはいけない。

瓜(うり)は、夏のたいへん暑い時にだけ、食べるべきである。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

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ここで貝原益軒が、「瓜(うり)」と言っているのは、現在のキュウリ(胡瓜)およびその類縁植物の果実をさしていると思われます。

東洋医学では、キュウリ(胡瓜)は体を冷やす食べ物と考えられていますので、貝原益軒は上記のように述べたのでしょう。


ウリ科の果実というと、キュウリ(胡瓜)の他にも、スイカ(西瓜・水瓜)、マクワウリ(真桑瓜)、カボチャ(南瓜)、トウガン(冬瓜)、ヘチマ(糸瓜)、ゴーヤ(苦瓜・蔓茘枝)、ユウガオ(夕顔)、メロン、ズッキーニなどが挙げられると思います。

生のまま食べることが多いスイカ(西瓜・水瓜)やメロンも、体を冷やす食べ物と考えられますので、もし貝原益軒が現代に登場したら、きっと「西瓜とめろんも、夏のたいへん暑い時以外は口にするべからず!」などと言ったことでしょう。(T.K.)

底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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