『養生訓・飲食 下』(4):果物(くだもの)

2018年12月27日木曜日

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果物(くだもの)は、現代ではふつう果皮と種子以外の果肉の部分を、生のまま食べる方法が一般的だと思いますが、貝原益軒は一手間かけた下記のような食べ方を推奨しています。
キク科キク属イソギクChrysanthemum pacificumの花(千葉大学柏の葉キャンパスにて)
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諸々の果物は、火を通してから食べれば害はない。味も良くなる。

甜瓜(マクワウリ)は、種を取って、蒸してから食べる。味が良くなり、胃を傷つけない。

熟した柿(カキ)は、皮をつけたまま熱湯で温めてから、食べるべきである。
干し柿は、火であぶってから、食べるべきである。

このようにすれば、胃腸が虚弱の人でも害が起こらない。

梨(ナシ)は、大いに体を冷やす。そこで、蒸してから食べればその冷やす性質はやわらぐが、胃腸が冷えやすい人は梨を食べてはいけない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

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 果物を加熱すると、単純に食べる時に温かく感じるだけでは無く、成分も体に良いものに変化するのでしょうか?研究すれば面白いかも知れません。

 私は、柿も梨も大好きですが、今度食べる時にはちょっと温めてから食べてみようと思います。(T.K.)

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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