あんなに暑かった夏はどこへやら、、、あっという間に年末ですね。
来年も皆様の健康のお役に立てるよう、一同頑張りたいと思います。
さて、お正月に健康を祈願してお屠蘇を飲む方も多いかと思います。
現在は白朮(おけら)、山椒、浜防風、桔梗、桂皮(シナモン)、陳皮(みかんの皮)などを用いることが多いそうです。
お屠蘇の原型は華陀(110-208)が考案し、後に日本に伝来しました。お正月にお屠蘇を飲む習慣は、平安時代に貴族の間に浸透したといいます。
昔は…というと、烏頭(トリカブト)やバッカツ(サルトリイバラ)、大黄(下剤)も入っていたとされ、作用の強いものが見受けられます。
邪を追い出すために必要なものだったと考えられます。
後に、漢方医である曲直瀬道三(1507-1595)が作用の強い生薬を取り除いて作り直し、庶民にも普及していったそうです。
お屠蘇に限らず、現在使われている漢方薬も様々な歴史を経て成立したものであることを知ると、感慨深いものがありますね。
ではお正月はお屠蘇をいただき、よいお年をお迎えください。(S)
文献:毛利千香、御影雅幸、屠蘇酒の起源に関する考察、薬史学雑誌50(1)、78-83、2015.