『養生訓・飲食 下』(7):胃が弱い人のための調理法(続)

2019年1月31日木曜日

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健康を維持するために個々の食品を食べる時の注意点を、『養生訓』からご紹介しています。今回は前回に引き続いて、「胃が弱い人のための調理法」(続)です。
カキノキ科カキノキ属ロウヤガキDiospyros rhombifoliaの果実(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園)
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だいこん、かぶ、やまいも、いも、くわい、にんじん、かぼちゃ、ながねぎなどの甘い野菜については、大きく切って煮て食べると、胃腸につかえて「気」の流れを悪くし、腹痛を起こす。

薄く切るか、あるいは、辛いものを加えたり、あるいは、ものによっては酢を少し加えるのも良い。二度煮ると良いことは、前に書いた通りである。
また、このようなものは、一度に二品、三品も食べるべきではない。


甘い野菜の他にも、胃腸につかえやすい物は、続けて食べるべきではない。すなわち、生魚の刺身、脂身が多い肉、味つけが濃いものは、続けて食べるべきではない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)

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 貝原益軒は、「胃腸のつかえ」を起こさないよう、細心の注意を払っていることが分かります。

 江戸時代は点滴もありませんでしたので、胃腸の調子が悪くなって食べられなくなってしまったら、命に関わってきますので、特に注意していたのでしょう。(T.K.)

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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