シソ科イヌハッカ属ケイガイの花穂(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園) |
*****
お茶は、日本では大昔には無かったが、奈良・平安時代頃に唐の国から渡ってきた。その後、味わい楽しむ人々が増えて来て、今では日用欠かすことができないものになっている。
お茶は、人の熱気を冷まし、頭に上った「気」を落ち着かせ、眠気を覚ますという性質がある。
ある学者は、「長く飲めば、脂肪を減らして、痩せることができる」と言っている。しかし、別の学者は、「人によっては、その性質は良くないこともある」と言っている。
今の世間では、朝から夕まで、お茶をたくさん飲む人が多い。飲み慣れてしまえば、体を損なうことはないのだろうか? 私はやはり、お茶には冷ます性質があるので、一度にたくさん飲むべきではないと思う。
抹茶(まっちゃ)は、飲用する時には、炒ったり煮たりしないので、その性質が強くなる。
煎茶(せんちゃ)は、飲用する時には、炒って煮るため、その性質はやわらかくなる。
故に、普段は煎茶を飲用すべきである。
(貝原篤信 編録『養生訓』巻第四 飲食 下から)
*****
*****
貝原益軒が言っている「煎茶」というのは、「炒って煮たお茶」だと述べていますので、現在の「ほうじ茶」に近いものだったと思われます。お茶は、適量を楽しみましょう!(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。