タイトル:『養生訓・総論
上』(14):養生法を志す方々へ
貝原益軒が、養生法を志す方々に対して、気持ちの持ち方について説明しています。
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養生法を行おうと志す方々は、いつも自分の気持ちの動きを客観的に観察できる「心の主(あるじ)」を心の中に持っておくと良いでしょう。
「心の主(あるじ)」がいれば、何事に対しても、よく考えて是か非かを正しく判断することができます。怒りをおさえ、欲が大きくなることを防ぐことができるので、間違えることも少なくなります。
「心の主(あるじ)」がいなければ、思慮は浅くなり、怒りや欲を小さいうちに抑えることができず、欲しいままに行動してしまうので、間違えることが多くなります。
(貝原篤信
編録『養生訓』巻第一 総論 上から)
ハクモクレン(Magnolia heptapeta)の花。良い香りです。千葉大学柏の葉キャンパス。 |
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「心の主(あるじ)」を置くという方法は面白いアイデアですね。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。