昨日のブログに引き続き、中国の「新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン案・第7版」から、新型肺炎の重傷者に使われる漢方薬についてご紹介致します。
漢方薬による補助療法は、あくまで現代医学的な補助療法がきちんと行われていることを前提とする治療法であることはご了解下さい。
*****以下、中国の「新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン案・第7版」の一部を翻訳*****
新型肺炎に対する漢方薬治療(重症者)
重症者の定義:入院し、酸素投与が必要な状態。
(1)東洋医学的に「強い毒が、肺の働きを閉じ込めている。 」と解釈される場合(※)
臨床症状:発熱して顔が赤くなる。強い倦怠感。
咳き込むが、痰は黄色くドロッとして少ない。場合によって痰に血が混じる。
ハアハアと息が切れ、体を動かすとゼーゼー息苦しくなる。
口が渇き、苦くネバネバする。
食欲無く食べれられない。便通が悪くなる。
尿の色が濃くなる。
舌の色は赤みが強くなり、黄色いコケがべっとりと付く。
煎じ薬に入れる生薬として薦められるもの:麻黄(まおう)、杏仁(きょうにん)、石膏(せっこう)、藿香(かっこう)、葶藶子(ていれきし)、蒼朮(そうじゅつ)、草果(そうか)、檳榔子(びんろうじ)、大黄(だいおう)、黄耆(おうぎ)など
(2)東洋医学的に「内臓が、熱毒によりあぶられている。 」と解釈される場合(※)
臨床症状:高い熱が出て、のどが渇く。
ゼーゼー息苦しくなる。
意識が遠くなり、うわごとを言う。時に痙攣。
物が見えづらくなる。
時に、皮膚に発疹、吐血や喀血、鼻血。
舌の色は深い紅色、コケは少ないか、コケが無い。
煎じ薬に入れる生薬として薦められるもの:石膏(せっこう)、知母(ちも)、生地黄(しょうじおう)、水牛角(すいぎゅうかく)、玄参(げんじん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、黄連(おうれん)、竹葉(ちくおう)など
*****引用は以上*****
※ 東洋医学的解釈とは、臨床症状を東洋医学的に解釈したもので、この解釈に基づいて、処方や生薬が選ばれます。
※なお、日本国内で新型コロナウイルス感染症を疑った場合は、直接クリニックや診療所などの医療機関には受診せず、まず速やかに管轄の保健所に設けられた「帰国者・接触者相談センター」に連絡し、指示に従って下さい。(T.K.)
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