同じ吐息でも口をすぼめると周囲の空気を巻き込んで冷たくなりますし、大きく口を開けて気管の奥から吐き出すと体温のぬくもりがある息になります。
同じものでも、誤解して捉えられがちなのが「生姜:しょうが」ではないでしょうか。
① 生薬としての生姜
五性でいうと「温」なのですが、生の生姜を陰干したものは胃腸を整える他に、新陳代謝を高めて発汗を促し、結果、余分な熱を逃がす働きがあります。ですから、体を冷やす訳ではありません。
一方、蒸して更に干した生姜は「乾姜」といって体を奥から温める作用が強くなります(※日本での一般的な使い方です)。
② 食品としての生姜
大雑把に考えるなら、夏の飲食、または、魚料理、寿司に添える生姜はお腹を冷やし過ぎない様に、且つ、中毒予防を担い食欲を促します。 冬に食す生姜は加熱調理が多いので、より体を温める働きが期待できます。
初詣で熱い甘酒を頂くことが多いのですが、生姜を添えた「甘酒」をふぅふぅしながら飲むと、体が温まってじんわり額に汗が出ます。皆さんも経験がありますでしょう?
昔から四季を通じて日本人の生活に寄り添い、健康を支えてくれる「生姜」を美味しく上手に活かしたいと思います。(Y)