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朝は早く起きて、まず手と顔を洗い、髪をとかして、お手洗いに行く。
朝食後は、お腹を何回かなで下ろして、食べ物が胃腸の中をめぐるようにする。
また、京門(けいもん)(※)のあたりを、手の人差し指のわきで、斜めによくなでると良いだろう。
さらに、腰をなで下ろした後、その下の方をやさしくポンポンとたたく。乱暴にたたいてはいけない。
もし、食べ物が胃腸の中に滞っているようならば、顔を上に向けて、3,4回、食後の毒気(※※)を吐くようにする。
(貝原篤信
編録『養生訓』巻第二 総論 下から)
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(※)京門(けいもん)とは、鍼灸で用いる経穴の名前です。両脇腹の第十二肋骨の先端付近にあります。
(※※)食後の毒気とは、いわゆるゲップのようなものでしょうか。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。