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こころを静かにして騒がしくせず、ゆったりさせてあせらず、
気持ちをやさしくして粗暴にせず、
言葉は少なくして声を荒げず、かん高く笑わず、
いつも心を喜ばすようにして、みだりに怒らず、
悲しみを少なくして、過去の事にくよくよせず、
過ちがあれば、一度だけ自分を責めて二度は悔やまず、
ただ、天命を受容して、思い悩まない。
これが、自分のこころに栄養を与える方法だ。
養生をする人は、このようなこころの持ち方をしたいものだ。
これが、自分のこころに栄養を与える方法だ。
養生をする人は、このようなこころの持ち方をしたいものだ。
(貝原篤信
編録『養生訓』巻第二 総論 下から)
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今回から、貝原益軒が養生のための「こころの持ち方」について書いた数章を読んでいきます。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。