愛称が、牛の膝(ひざ)と呼ばれる薬草があります。ヒユ科ヒナタイノコズチAchyranthes bidentataです。
小野蘭山は『本草綱目啓蒙』の「牛膝(ごしつ)」の項目で、こう述べています。
「牛膝は原野にたいへん多い。春になると、宿根から芽が出る。枝や葉が節から対象に出る。葉の形は柿の葉に似て、小さく、先が尖って、短い毛がある。
夏になると、枝ごとに細長い穂を出し、花が多くつく。その花は長さ一分(約3.03mm)ほどで細い。弁は5枚あり、緑色で直生する。
その後、種子ができ、これが熟すと人の衣服にくっつくので煩わしい。」
枝や葉が出る節の部分が、「牛の膝(ひざ)」に似ているので、「牛膝(ごしつ)」という名前がついたようです。蘭山先生がおっしゃるように、ヒナタイノコズチの種が衣服につくと、なかなか衣服から取れませんね。
夏になると、枝ごとに細長い穂を出し、花が多くつく。その花は長さ一分(約3.03mm)ほどで細い。弁は5枚あり、緑色で直生する。
その後、種子ができ、これが熟すと人の衣服にくっつくので煩わしい。」
枝や葉が出る節の部分が、「牛の膝(ひざ)」に似ているので、「牛膝(ごしつ)」という名前がついたようです。蘭山先生がおっしゃるように、ヒナタイノコズチの種が衣服につくと、なかなか衣服から取れませんね。
漢方では、ヒナタイノコズチの根を生薬名「牛膝(ごしつ)」として利用しています。
『神農本草経』では、「関節が重だるくなったり、腕や足がこわばったり、膝が痛くなって曲げたり伸ばしたりできなくなったりした時に用いる。長期に服用すると、身が軽くなり、若さを保つことできる。」と記載されています。
当院でも、腰や膝に痛みがあったり、足がむくむなどでお困りの方に、これらの症状を改善する目的で処方されることがあります。T.K.