続きです。
先日のめまいのお話に出てきた真武湯は北の玄武神にちなんだお薬です。
当時の宋の皇帝の名を避け、真武湯と言われるようになりました。構成生薬である附子の色が黒いため、その名(玄武湯)がついたとか。
附子とは、トリカブト(キンポウゲ科)の根の部分を加工してお薬として使えるようにした生薬です。びっくりしましたか?
附子は医師のもとで使用し、注意が必要なお薬ではありますが、痛みや冷えを改善する作用に優れています。また、元気を賦活するような作用もあります。
普段は疲れやすくもなく、冷えもない、不調を感じてない方が服用すると、薬が効き過ぎてほてったり、動悸がしたりすることがまれにあります。やはり、その薬が必要かどうか、医師の見極めやさじ加減が必要なお薬です。
漢方の生薬はシソや薄荷、ミカンの皮など食べ物に近いものから、附子や大黄(お通じなどに使う生薬)など作用の強いものまで幅広く、それらを組み合わせることで多彩な作用が生まれます。真武湯も、附子以外に茯苓、芍薬、朮、生姜が入り、協調し合って作用します。
そして、体の足りないものは補い、いらないものは取り除いて、中庸にもってくるのが目的です。(S)