今回が、『養生訓・総論
上』の最終回です。
貝原益軒が、「気をめぐらすこと。」の大切さについて、念を押しています。
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養生の方法は、自分がすべきことをきちんと行うということです。体を動かして働いて、気をめぐらすことが良いのです。
すべきことをしないで、寝ていることを好み、休んでばかりいて、怠惰な生活をすることは、養生にとってはたいへん害があります。
座っていてばかりで、体を動かさなければ、「元気」が体をめぐらず、食べ物もうまく消化されず、病気が起こります。特に、横になってばかりいたり、睡眠が長すぎることは、良くありません。
食後には、必ず数百歩歩行して、気をめぐらして、食べ物がうまく消化されるようにしましょう。横になってばかりいてはいけません。
父母に対しては精一杯親孝行をして、自分の主君に対しては誠実に務めを果たし、朝は早く起き、夜は遅く寝て、どんな身分であっても、自分の家業によく励んで、怠らないことが大切です。
(貝原篤信
編録『養生訓』巻第一 総論 上から)
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いつも、まめにしていなさいということでしょうか。
では次回から、『養生訓・総論
下』を読み始めます。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。